すごい在家「チッタ居士」
仏教は出家優位の印象があります。
が、仏典を読んでいますとお釈迦さま在世の当時は、在家信徒でも素晴らしく優秀な方がいたことがわかります。
スーパーサイヤ人ならぬ「スーパー在家人」です。
スーパーな在家といえば、チッタ居士が筆頭になるかと思います。
チッタ居士。
この方、資産家であり、世間からも尊敬されていた在家でした。
が、なんと在家でありながら出家比丘に指導をしていたすごい方だったのです。
今ではあり得ない超弩級のことですが、当時は優れた在家が出家を指導することもあったようです。
チッタ居士は出家比丘並の扱いだった
チッタ居士は、本当に「スーパー在家人」でして、普通、出家比丘は在家に神通力を見せなかったのですが、チッタ居士にだけは神通力で風を起こしたり火を焚くなどの奇瑞をお披露目していたことが漢訳阿含経に書いてあります。
パーリ経典にも「チッタ相応」というチッタ居士に関する章が残っているほど。
チッタ居士の凄さは別格でした(本当にすごい方)。
チッタ居士はアラハト?アナーガミー?
ちなみにチッタ居士、南伝ではアナーガミーという解脱の一歩手前の段階だったとあります。
が、中国の経典では在家でありながらアラハト(仏陀)であったと記されています。
真実はどっちなのか分かりませんが、チッタ居士は大変優れたな在家信徒であったことは確かですね。
孫悟空は怒りが頂点に達してスーパーサイヤ人になりましたが、チッタ居士は智慧と慈悲が頂点に達してスーパー在家人になられたのかもしれません。
出家の慣習があったインド
そんなエピソードもありますが、実のところ仏教を研究していくと、出家も在家も、そう違いがないこともわかってきます。
インドには出家の慣習があるため、ブッダは、それにならったというのが本当のところではないかと推察しています。