スッタニパータ「慈しみ(慈経)」
このスッタニパータには「慈経」というお経が含まれています。
第一章「蛇の章」の八番目ですね。
「一切の生きとし生けるものは、幸せであれ」
という有名な言葉が収録されている原始仏典です。
「慈経」は、昔から馴染んでいます。
今日は、そんな馴染みのある「慈経」のお話し。
慈経の「生きとし生けるものは幸福であれ。安泰であれ。安楽であれ」
ところで「ブッダのことば(スッタニパータ)」は、原始仏典の小部経に属します。が、原始仏典の中でも難解なお経の部類に入ります。
でも一番人気があるんですね。1980年代に岩波文庫からリリースされて、今もなお人気があります。ロングセラーになっています。けれども本当は、理解が難しいお経なんです。誤読も多いお経です。
そんな問題があるといいますか、誤読しやすいスッタニパータなのですが、何故か、日本では大人気だったりします。大変不思議な現象です^^
岩波文庫の「最も古くて新しい」といったキャッヒコピーが功を奏したのかもしれませんね^^
あと、これだけ最も有名になりますと、「これでいいのかな」とよくわからずに購入されている方が多いのかもしれませんね。
ほぼオートで販売促進となっている、マーケティングとしては良い事例として紹介できるほどですね^^;
そんなこともありますが、しかしながらスッタニパータには、短いながらもよいお経もあります。
その一つが「慈経」です。
中村元先生の翻訳では「慈しみ」となっています。
うーん、ここはズバリ「慈経」とか、もう少し格調高い言葉で訳して欲しかったですかね。
で、「慈経」には、有名な言葉があります。
最初にも書きましたが、少しアレンジしますと、
「生きとし生けるものは、幸福であれ。安泰であれ。安楽であれ。」
「生きとし生けるものが幸せでありますように」
これですね。
昔、この言葉に大変感銘を受けて、それ以来、ひんぱんに唱えています。
そうして、自分の中に、慈悲を奮い立たせるようにしています。もう四半世紀以上、毎日、唱え続けています。
ちなみに、「生きとし生けるものは、幸福であれ。安泰であれ。安楽であれ」は、他にも翻訳があります。言い方はどれでも良いと思います。
大切なのは、この言葉から得られる心の状態ですね。
言葉は大切です。
言葉によって、心が動きます。
変わります。
方便的な道具であっても、この道具を使うことで心を変えることもできます。
言葉は大切ですね。
善い言葉は、繰り返し、繰り返し唱えるのがおすすめです。
慈経と吉祥経は在家にもおすすめのお経
で、スッタニパータは、在家向けの善い言葉が記された短いお経もあります。
・慈経(第一蛇の章 八.慈しみ)
・吉祥経(第二小さな章 四.こよなき幸せ)
この2つは、勝れた徳を示したお経で、
在家が読むにもふさわしいお経だと思います。
ただし、中村元先生の翻訳は、平易な言葉過ぎますので、もうちょっと格調高い翻訳をしていただいたほうがよかったのではないかと思いますね^^;